不可視インクとは

あなたは「不可視インク」を聞いたことがありますか?

目に見えないインクを不可視インクといいます。見えないインクにどんな意味があるの?と思った方もいるでしょう。
しかし、このインクは娯楽用から産業用まで様々な使い道があるのです。この記事では不可視インクの特徴や発光する仕組み、その使用用途をお伝えします。

目で見えない不思議なインク

インクには水性や油性、食品用の食べられるインクなど様々な種類が揃っています。その中のひとつに不可視インクがあります。不可視インクは目に見えないことから、ステルスインク、隠顕インク、インビジブルインク、UVインビジブルインクなどとよばれています。

不可視インクは、ブラックライト(高周波の紫外線)を照射すると見えるようになる特殊なインクです。通常時は透明のため、ブラックライトを照射しないとまったく見えません。

そのため、目立たない印字や隠し文字として使用されています。

また、自作できる不可視インクもあります。
作り方も簡単です。水と重曹を混ぜただけの重曹インクや、レモン汁がそれあたります。
紙にレモン汁で書いて、あぶると文字が見える実験を学校の授業で試したことがあるのではないでしょうか。

実は、産業用に限らず身近な場所にも見えないインクは存在しているのです。

目で見えない不思議なインク

不可視インクが発光する仕組み

蛍光物質が光る原理

インクの成分に「蛍光物質」が含まれているからです。

蛍光物質とはブラックライトが照射されると光る物質です。
蛍光物質は、このブラックライトを吸収し目で見える光(可視光)に変換して発光しているのです。

これにより不可視インクは視認できるようになります。この際、蛍光物質の材料によっては、青や赤、黄色などさまざまな色の光を発しているのです。

蛍光灯と比較してみましょう。

蛍光灯は電気が流れて光ります。一方で不可視インクは電流の代わりにブラックライト(紫外線)を吸収して、光っているのです。

蛍光物質はさまざまなものに含まれている

この蛍光物質は多くのものに含まれています。
人では、歯や爪、血液などにも存在します。実は犯罪捜査の現場でブラックライトが使われる理由がこれらの物質を捜査するためです。

このように不可視インクには紫外線によって光る蛍光物質が含まれています。そのため、不可視インクはブラックライトを照射されると、蛍光物質がブラックライトを可視光に変換し光を放出しています。

また、不可視インクと似た特徴を持つインクに赤外線透過インクがあります。光の波長の中から感知したい波長(例えば、赤外線)のみを通すインクです。紫外線や可視光を遮断したい際に使われます。

不可視インクの使用用途例

では、不可視インクはどのような使い方があるのでしょうか。その例をお伝えします。

1.娯楽用途

オフィス用品や筆記具などのマーカーペンでも不可視の蛍光ペンが販売されています。

ブラックライトを照射しないと肉眼では見えません。そのため、誕生日会の秘密のメッセージや貴重品へのマークなど日常生活で使用されています。
その他にも不可視インクは再入場の確認にも使用されています。遊園地の入場時やアトラクションの入場時に手にスタンプを押したことがありませんか?

再入場時に手に明かりを当ててますよね。それは、ブラックライトをあてて手に押されたマークを確認しているのです。その時のインクが不可視インクです。

2.アート作品への応用

インクジェットプリンタを用いて、壁面アートやポスターにも応用されています。
ブラックライトを照射した際のみ、絵や文字、模様が浮き上がる仕掛けです。
例えば、カラオケルームの壁にも用いられています。
また、通常の見えるインクと不可視インクを同時に印刷した例もあります。

ブラックライトの照射有無によって、見え方が変わるのです。
例えば、通常時では晴れた海の写真であっても可視光を遮りブラックライトを照射すると夜の花火の写真になるといった具合です。
個人使用でのプリンタでの活用や、商業施設のディスプレイ、ショーウィンドウなど幅広く活用されています。

アート作品への応用

3.製品へのマーキング

不可視インクは、偽造防止やトレーサビリティといったマーキングに導入されています。

不可視インクは透明であるため、印刷しても下に印字されている文字やマークを消すことはありません。そのため、製品の場所を選ばずに印刷できます。
これにより隠し文字や隠しQRコードとして偽造防止やトレーサビリティに役立っているのです。

身近な例では、スポーツ観戦のチケットや、インビテーションカードなど貴重性が高いものに印刷して用いられています。また、産業用の製品ではロットナンバーの印字、郵便物のバーコードなどです。

不可視インクは目で見えないことを利用したマーキング手法としても活用されています。

まとめ

不可視インクは一般的にはそのままでは視認できないインクです。
最大の特徴は下地の文字や柄に影響を与えずに、マーキングできる点です。

この特徴を活用して、不可視インクはプライベートや娯楽、アート作品への応用、産業機器への展開と幅広く用いられています。

マーキングマンでは、不可視インクの取り扱いもございます。

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