水性・油性だけではないの?インクの種類と特徴をご紹介

『インク(インキ)』と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
プリンターやボールペン、油性ペン、印鑑(ハンコ)やスタンプまで様々でしょう。実はインクにはいろんな種類があります。
本記事ではインクの種類やその特徴や違い、特殊なインク例をお伝えしていきます!

インクの役割とその構成要素

インクは、紙に文字を書いたり、印刷したりと表面を着色、印字する用途で用いられる液体や固体の物質です。身近な用途では液体系のインクが多く、ボールペンや油性ペン、ゴム印、印鑑のスタンプ台(パッド)に用いられています。
液体系のインクの成分は大きく分けて4種類です。液体成分である溶剤と色の成分である色材、インクを印字面に付ける定着樹脂と添加材により構成されています。

液体インクは溶剤が水性と油性のもの、色材が染料・顔料のものがあり1種類だけではありません。たとえば、油性の溶剤に顔料が含まれていると油性顔料インクとよばれます。このように、水性と油性、染料と顔料の組み合わせにより様々な特徴を持ったインクになるのです。

染料と顔料の違いはなに?

染料・顔料って何が違うの?

染料と顔料の大きな違いは、水や有機溶剤といった液体に溶けるかどうかです。

インクの色の成分である色材は染料と顔料に大別されます。

染料の特徴は水や有機溶剤に「溶ける」ことです。溶けるとは、液体の中に小さな粒のような粒子が残らないことをいいます。たとえば、水に醤油を一滴垂らすと水の色が醤油の黒色になりますよね。

このように、混ぜたものが液体に均一に混ざりあうことを溶けるといいます。つまり、水に均一に混ざる性質をもつ色材を染料といい、そのようなインクが染料インクです。

染料インクと顔料インクでは色の付き方が異なる

実は、染料インクと顔料インクでは色を付ける仕組みが違います。その理由は、色材の溶剤への溶け方が違うからです。

染料インクは液体に色材が溶けているため、インクが紙や布のスキマに染みこみます。色の付いたインクが染みわたり着色するので、紙に印字した時に裏まで透けてしまうのはこの理由です。

一方で、顔料は仕組みが異なります。顔料インクの色材は染料の粒子に比べて、10から1000倍以上の大きさがあり、紙や布の表面にとどまることで着色されます。

染料インクと顔料インクの特徴の違い

インクは色材の種類によって、色の付き方が異なることを説明しました。では、色の付き方でどのような違いがあるのでしょうか。

染料インクは溶剤に様々な色を混ぜることで、顔料インクよりも鮮やかな発色でカラーバリエーションが豊富です。家庭用のインクジェットプリンターを用いて光沢紙に印刷すると、染料インクでは光沢の帯びた写真になります。インクが紙の内部まで浸透し、光沢紙の質感が再現されるからです。

一方で、顔料インクは染料よりも耐水性に優れています。顔料は水に溶けないため、印字箇所がぬれても滲みません。また、染料に比べて、顔料インクはそれ自体が光に対して耐性をもっているため変色しにく点も挙げられす。

水性・油性の特徴を教えてください!

水性インクと油性インクの違いは溶剤の種類

水性インクは精製水とよばれる不純物が少ない「水」を使用したものです。
一方で、油性インクは「有機溶剤」を使用しています。有機溶剤とは、有機化合物でできた溶剤です。インクに用いる場合は、アルコールやグリコールエーテルといった脂肪族炭化水素などが主として使用されています。

油性インクの特徴

油性インクの特徴は水性インクと逆の特性を持ちます。有機溶剤の種類によりますが、印字は直ぐに乾きます。そのため、手で擦れさせてしまったり、乾くまで待ったりしなくて良いのが油性インクの特長です。

また、ビニールやプラスチック、金属にも印字できます。一部の有機溶剤はビニールを溶かしてしまう場合もありますが、有機溶剤のため多くの材質に印字できます。

一方で、油性インクは水よりも粘度が高く、取り扱いが悪くなる場合があります。
さらに、有機溶剤特有の匂いを感じることがあります。

油性インクの仕組み

水性インクの特徴

水性インクは主として水を用いているため、匂いが気になることはありません。
さらに、水性インクは油性インクに比べて、粘度が低く扱いが容易です。

一方で、水性インクは乾くのに時間がかかってしまうため色が移り乾く前に汚れてしまう事があります。

また、水性インクはビニール袋や金属などには書けません。なぜなら、ビニールやプラスチック、金属は水性インクをはじくためです。そのため、表面に文字を印字したとしても指で触れるとサッと消えてしまいます。これも溶剤が水であるためです。

このように水性インクと油性インクはそれぞれを補い合うメリット、デメリットがあります。そのため、それぞれの用途に合った使用方法が欠かせません。

水性インクの仕組み

特殊なインクの種類!

基本的なインクの種類をお伝えしましたが、まだまだインクの種類はあります。その一例を紹介します。

不可視インク(インビジブルインク)

紫外線の照射下で発色し、視認性を持つインクです。目立たない印字や隠し印字として使用します。

紫外線硬化インク

紫外線が照射されると固まる溶剤を用いています。一方で、インクの厚さにムラがあると均一に固まらない欠点もあります。

固形インク

固形インクは常温で固体のインクです。固形インクは溶剤がありません。熱で溶かし表面に吹き付けて印字します。

様々な材質に対応可能な油性インクならエコビュートインク

当社の取り扱うエコビュートインクは様々な材質に対応可能な油性インクです。色材は染料・顔料があり全6色を用意しております。食品をはじめ、自動車部品・電気電子部品など約20,000社で使用されています。
エコビュートインクが使用可能な作業性の良いスタンプ(ハンコ)もご用意しております。

まとめ

本記事ではインクの種類について紹介いたしました。インクの成分は水性・油性、染料・顔料といった種類があります。
特にインクの溶剤成分は水性と油性が、色材成分は染料と顔料です。これら溶剤と色材の成分の組み合わせにより、インクの特徴は変化してきます。インクを用いる際はこれらの特徴と対象物の組み合わせを十分に注意して使い分けましょう。

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